「痛みを感じず過ごす日々」を手に入れる幸せ
- 2023年02月16日
- 「肩は落ち着いているのですが、今度は腰を見てもらいたくて」という事で先日60代のOさんが約2年ぶりに来院されました。
週3日程、立った状態での仕事をされているOさんが腰に痛みを感じ始めたのは、1年程前からだということが分かりました。
「整形外科で検査をしてもらうと脊柱管狭窄症だと言われました。一時は処方された痛み止めの薬を飲んでいたのですが、何となく頭がぼおっとしてきてしまうので止めました。その後整形外科のリハビリにも通ったのですがいまいち症状が良くなりませんでした。最近は夜横になっても、腰の痛みを感じて熟睡できないし、立っている最中や歩いている時に急に右足全体がびきっという感じで痺れることもあり、その度にこのまま動けなくなるのではと不安になります」とOさんは話してくれました。
早速、腰から下にかけて全体的に右側の症状でお悩みのOさんを、しっかりと診察させていただきました。
「具体的に右足のどこがとは言えないのですが」とおっしゃるOさんの訴えも踏まえ、まずはうつ伏せになっていただき、固さが強く見られた右腰の広範囲からお尻そして右太股裏側に対する鍼治療から始めました。以前肩への鍼治療を喜んで受けてくださっていたOさんです。今回も「少しでも良くなりたい」との思いが強かったのか、比較的広範囲に渡る鍼治療を素直に受けられているのが印象的でした。
鍼により体の奥に存在していた固さを取った後は、表面に残った凝りを解す意味も兼ねて、腰とお尻に加えて右足全体も含めてマッサージを行いました。
Oさんの訴え通り私自身も「どちらかというと腰椎よりもちょっと離れた外側の固さが強いな」との思いで右腰への鍼治療を行ったのですが、その部が解れたせいか、マッサージに入ると腰椎すぐ際の部分も硬くなっていることに気づきました。
やはり、鍼治療とマッサージのいわゆる「ミックス治療」が、辛い症状の改善には最適です。
「そうそう、脹ら脛も痛くてね」とOさん。
そうして足先へのマッサージに達する頃には、「何だか右腰から下半身全体に血が通った感じで暖かくなってきました、とても気持ち良いです」とおっしゃるOさんがそこにいました。
最後に少し時間が残ったので、Oさんからのリクエストがあった右肩から背中にかけてのマッサージも行いました。
「肩が良くなったといったって相変わらず凝るし、こうしてちょっとやってもらうだけでも全然違います」と喜んでいいました。
治療を終えてゆっくり立ち上がっていただくと、「来た時より右腰がだいぶ軽くなりました」とOさん。
続けて、「それにしても脊柱管狭窄症って私よりもっと高齢の方がなるものだとばかり思っていたのに、そうではないことを看護師さんにお聞きし驚いています」とおっしゃったので私は、「年と共に骨が変形したり軟骨が磨り減ってくるのはある意味皆平等かもしれません。ただもしそうであっても、こうして鍼治療やマッサージなどで硬くなった筋肉を解すことで毎日痛みを感じず過ごせる体でいるのが大切なのではないかと私は思います」とお伝えしました。
「これでまた元気に働けます」と安心した様子で帰られたOさんを見ながら、「いくつになっても痛みや辛さを感じずに毎日を過ごせる」体調でいることも、「一つの幸せな形」ではないかと改めて感じた一時でした。