「子供がやっと掴まり立ちをするようにはなりましたが、あいかわらず抱っこをせがまれることも多くて、体重も重くなり体に負担がかかっているのか、腰が痛いし、肩から腕にかけてと背中もばきばきな感じで辛いです。今も授乳中なのですが、もちろんしかたがないと分かっているものの、やはり夜中に何度も起きなければならずかなりの寝不足で疲れが取れません」
Kさんは初めての子育てとのことで、毎日一生懸命お子さんと向き合い、育児に励まれている様子が伝わってきました。
早速訴えられた箇所を診察すると、どの部位もその広範囲がぱんぱんに張っているのが分かりました。
「実はマッサージは今までに何度か受けたことがあるのですが、知り合いの方から鍼治療も効果的だと聞いたので、是非今日は鍼を試してみたいです」
よほど体が辛かったのか、Kさんご自身がそう希望されたので、改めて鍼治療の良さをお伝えし、迷うことなく早速うつ伏せになっていただき、肩・背中・腰という順でゆっくりと鍼治療を行っていきました。
始めのうちは、硬い箇所を少し押すだけで、「ううっ・そこきますね」などとおっしゃっていたKさんでしたが、それぞれの施術部位に存在していた硬い箇所への治療を進めていくと、やがてKさんの感想が、
「押されても先ほどのような痛みは無くなりました」というように変わったことからも、確実に少しずつ凝りが取れてきているのを感じました。
一通り鍼治療を終えた後は、同じ箇所に対して弱めのマッサージを行いました。
「気持ちいいです」、「そこそこ・そこがいつも凝るんですよね」などと言いながらも、いつしかうとうとしながら施術を受けていたKさんを見て、ここに来られたことで多少リラックスしていただけたのかなと私自身もうれしくなりました。
治療を終え起き上がったKさんは、
「背中も腰も奥から解れた感じで楽になりました、これでまた前向きに育児に取り組めそうです」
と言い、笑顔で帰っていきました。
体が凝るのは、仕事や家事だけではありません。育児はもちろん、親の介護でお疲れの方も多く来院されます。
体を過度に使うと、どうしても使った所の筋肉が硬くなります。
そしてそれを長時間放置しておくと、やがてそれが痛み症状となって現れます。
しかしその痛みの多くは鍼治療やマッサージ等により改善することができるのです。
快適な毎日を送るためにも、あまり痛みを我慢せず、早めの治療をお勧めします。