足の突っ張り感にも鍼は効果的です

2021年05月21日
「趣味でランニングをしているのですが、最近右のお尻から太股の裏側にかけての突っ張り感がどうにも気になって、走る事に集中できなくなってしまったんです」。そう言って、40代のKさんは初めて来院されました。

診察するためにうつ伏せになっていただき訴えのあった箇所を触察すると、やはり右のお尻から太股裏側の筋肉が広範囲に渡ってかなり硬くなっており、しかもそれが表面だけでなく奥深い所まで凝っているであろうことも分かりました。
「これはまず奥の固さから取らなくては、それにはやはり鍼治療をさせていただきたい」。そんな思いでいる私にKさんは言いました。

「ここ何日かはただ座っているだけでも突っ張り感を強く感じるようになってしまいました。表面ではなくて足の奥の方が張っているのが自分でも分かるんです」。登院に初めて来られる方の多くが「手足の筋肉も凝る」という事実にその場で気付くことがほとんどなのでKさんの話に少し驚いていると、その理由がすぐに分かりました。 

「実は私が看護師の資格を取った時の同期生に鍼灸の免許を持った方がいたんです。
ある時その方に肩凝りが辛いと言うと肩に鍼を打ってくれました。その後肩が楽になったので、鍼治療の効果は前から知っていました」。ということで、そのままスムーズニ辛さを生じていた右の臀部から早速鍼治療を開始しました。 
「やはりお尻に鍼治療をと思ったら女性の先生がよかったので絶対1度来ようと思っていました」と言うKさん。

今回はあまりの下半身の辛さで我慢できず来院されたのかもしれませんが、「今までにこんなにがっつりと施術を受けたことはありません」とおっしゃったほど、鍼を打っても打ってもそのまた奥にある筋肉の固さが指に触れるような状態だったので、お尻・足共に筋肉の疲労を含め固さが大分貯まってしまっていたのだと改めて気付きました。

それでも鍼治療後、同じ箇所に対するマッサージを終える頃には、治療前に指先に感じた筋肉の筋張り状の固さはかなり取ることができました。「鍼を打ってもらった箇所は押されても痛くなくなりました」と言うKさんに、その後は時間の範囲内で全身調整もかねて上半身に対してもマッサージをさせていただきました。

「とても楽になりました。明日から走るのが楽しみです。体を使って仕事をしているせいか、肩や頚・腰も凝っていたなと感じました。子育ても一段落したのでこれからは定期的なメンテナンスに通いたいと思います」とうれしそうに帰って行くKさんを見て、やはり足の痛みにも鍼は効果的だと満足感でいっぱいになりました。