いくつになっても健康な体を保つ秘訣はやっぱりこれです

2021年03月24日
先日、80代のTさんから久々に施術以来の電話をいただきました。
当院から1㎞ほど離れた所にお住まいのTさんは、基本的にいつも歩いて来院されます。
約3年ぶりにお会いしたTさんは、とてもお元気そうな様子でした。
それでも症状をお聞きすると、昨年ふいにバランスを崩して転んだ際に、
右の肋骨の一部を骨折してしまったことを教えてくださいました。

お医者さんに、「とにかく骨折部がくっつくまでは3ヶ月ほどはかかりますよ」
と言われる中で当然骨折部付近の痛みも辛かったでしょうが、
「底を庇いながら生活していたら全身がどこもかしこも板のようにがちがちに凝って
痛くなってしまったので解してもらいたくて」と言いながらTさんはベッドに横になりました。

元々左半身の首回りから肩・肩甲骨周囲を含めた背中から腰そしてお尻から足の
外側にかけてといわゆる全体が凝りやすいTさんであることは承知していましたが、
やはり骨折の影響なのかその日は右半身も同様に全身がかなり硬くなっていました。

 「こうやって横になっていると何もしていないのに腰骨回りから足にかけてが
もぞもぞするような痺れるような何とも気持ちの悪い感覚になるんです。
起きて動き出せばそんなこと無いんですけどね」、「先生に押される所押される所がみんな痛いですね」
などとおっしゃりながら、Tさんの話は続きます。

 「本当に年は取りたく無いと最近つくづく思います。何といっても物事を続けてしたいと
思っても気はあっても体が動かないのが一番切ないです。
例えば夕飯の買い物に行っても帰って来てすぐに食事の準備というわけにはいきません。
一旦少し横になって休んでからでないと体が動かないし、そうはいっても今度は
そうやって横になっちゃうと、起き上がるのがいやになってしまって。困ったもんですね」。
同じような事を他の方からも聞いたことがあったので、
「やはり80歳というのはある意味体を動かしたくても自分の思うように
いかなくなってくる年齢なのかな」などと思いながら、
Tさんの全身をくまなくゆっくりとマッサージさせていただきました。

ただそうおっしゃるTさんですが、例え肩や腰が硬いとはいっても、
歩くあるいは体を動かすことそのものが痛くてできないわけではありません。
それほど腰が曲がっているわけでもありませんでした。
その後、誰もが年を取りますが、いくつになっても自分の力で体を動かせることが
いかに大切かという事を二人で改めて確認しあいました。

 「それにはこうしてある程度定期的にマッサージを受けて体を解しましょう。
そして体が軽くなったところで無理の無い程度に歩いたりラジオ体操をするなど
体を動かしましょう。それから座っていると猫背になりやすいと思うので
時々は意識して背筋を伸ばして胸を左右に開くようにしてみてくださいね」。
多少Tさんに煩がられたかもしれませんが、そうお伝えいたしました。

やがて時間が立ち、「来た時より軽くなりました、
やっぱり解してもらうといかに凝っていたのかがよく分かります」と
清々しそうにTさんは帰っていきました。

 「体を動かすこと」は年齢に関係無く、誰にとっても重要です。
もちろん来院された際にはしっかりとメンテナンスをさせていただきますが、
是非皆様には、普段からほんの少しでもよいので、
歩く等体を動かすことをお勧めしたいと思います。
それが結果的には年を取っても健康な体の維持に繋がるからです。