「一番お勧めだと書いてあったゆったりコースでお願いします」。そう言って先日初めて20代のSさんが来院されました。
飲食店で働き始めて約5年になるというSさんは、
仕事柄長時間立ち通しで過ごす毎日。
「とにかくもう両足の脹ら脛がぱんぱんで痛くて重怠い日が続いているんです」と辛そうな様子でした。
Sさんは今までにもリンパマッサージ等他の治療をいくつか試したそうです。
ただその結果、「自分はいわゆるリラクゼーションのような物では症状が改善しないことに気付き、その後にこちらを見つけ比較的家からも近かったので来ました」と話し手くれました。
ベッドに座っていただき訴えのあった脹ら脛部を触察すると、
右を中心にやはり両足がかなり硬くなっていました。
「脹ら脛部の筋肉が広範囲に渡って凝ってしまっているために起こっている症状ですね」とお伝えした後、Sさんには俯せになっていただき、
両足の脹ら脛部に対するマッサージを開始しました。
思っていた通り、膝のすぐ下部分からアキレス腱に至るまでの筋肉に強い固さが見られたので、表面に近い凝りから順に根気よく解していきました。
固い所を押すとSさんは、「いたたたた」と言っていましたが、
筋肉が柔らかくなっていくにつれて、その痛みも少しずつ減っていくようでした。
表面が解れるとその奥にも固さが有ることが分かり、
そうやって念入りにマッサージを続けると、
いつしか足へのマッサージだけでやく1時間ほど経過していることに気付きました。
来院時には盛り上がっていた脹ら脛部がだいぶ平らになったことも、
筋肉の緊張が取れた証拠です。
「なんか久々に自分の足が帰ってきた感じです」と言うSさんの反応からもそれは明らかでした。
足以外の症状としては肩凝りがありました。
「前から鍼治療に興味があったんです」ということだったので、
今回は両肩の硬い箇所にのみ軽く鍼をさせていただき、
その後は左右の頸から肩・背中にかけて軽いマッサージを行いました。
あまり治療時間を使わなくても固さが取れるのが鍼治療の魅力であることをSさんにお伝えし、私自身も改めてその良さを実感しながらその日野施術を修了しました。