肩凝りは、中学生の頃からずっと続いているとのことでした。
ベッドに座っていただき訴えのあった箇所を触察すると、
確かに肩を中心にその周囲がかなり凝っていました。
それでもまずは、マッサージで様子をみようとBさんに横になっていただき肩を揉み始めたのですが、思いの他凝りの度合いが強いことにきづきました。
「これは鍼治療が必要かも」と思った瞬間、なんとBさん自身から「鍼治療を試してみたいのですが」との声。
そのタイミングに驚きつつ、「ちょうど私もお勧めしようと思ったところです」とお伝えし、一旦マッサージを中断して肩に対する鍼治療を開始しました。
鍼を受けるのは初めての経験だったようですが、
固い箇所に鍼を打つ度に「すごい、奥まで効いている感じ」と、
いわゆる「鍼の響き」の感覚に感動している様子でした。
私自身も鍼先の感覚から肩の奥深い所の固さが分かったので、
本当に鍼を打ってよかったと思いました。
その後マッサージを再開しましたが、石のように固かった肩も、
鍼治療をしただけでだいぶ解れているのが分かりました。
肩やその周囲に重点を置きながら全身マッサージを終えるとBさんは、
「とても気持ち良かったです、特に鍼がすごく効いた感じがします」と言い帰っていきました。
よほど肩が辛かったのかもしれませんが、
Bさんのように自ら鍼治療を希望される方は、実はそれほど多くはありません。
しかし鍼治療には、「筋肉の奥まで解せる」あるいは「治療効果が持続する」という、マッサージには無い利点があります。
そして、もちろんその効果は、受けた方だけが実感できるものなのです。
肩・頸の凝りといった症状は、若い世代にも増えています。
今回のBさんのように、実際に受けていただくことで、
鍼治療の良さをお伝えできたことをとてもうれしく思いました。