足の浮腫が気になりその改善を求めて来院された50代のYさん。
診察するとYさんの訴え通り、両足共にその全体がぱんぱんになっているのが分かったので、足に重点を置きながら下半身に対するマッサージをじっくりとさせていただきました。その時のお話しです。
「この御時世、なかなか遠出をして楽しむことはできないけれど、ついこの間ふと思いついて家族で近所の神社とお城の周囲に散歩に行って来たんです。それも遠くから来た旅行者になったつもりで。普段なら絶対しないよねなんてみんなでおしゃべりしながら鳩に餌をあけたり、湧き水をペットボトルに汲んで飲んだり。しかもたまたま神社でお神籤を引いたら何と大吉だったんです。その他にも改めて歩いてみての発見がいろいろあってけっこうおもしろかったですよ。人もそれほど多くなかったし、やっぱり町中の小さな神社でもそこに行くと清められたような気がしました」とYさん。
さらにYさんの話は続きます。
「家の中ではいろいろな物を食べ比べ・飲み比べして楽しんでいます。様々なメーカーから出ているレトルトカレーや中華料理の元を食べ比べしたり、ペットボトルの紅茶だってかなりの種類があってびっくりしました。後入浴剤も使い分けて試したりもしています」。
新型コロナウイルス関連だけでなく、最近では自然災害の怖さを耳にする度に何となく憂鬱になってしまうこの頃。
しかし、そんな今だからこそこの時のYさんのように、気付ける発見やささいな喜びもまたあるのではないか、そしてそのようなちょっとしたうれしい出来事を大切に毎日を過ごしていきたいと思いました。
「足全体が軽くなりました、これで歩きやすくもなりそうです」。
そう喜んでくださったYさんに、たまたまその非少し気分が沈みがちだった私自身が逆に元気をいただいた気がしました。