当院を受診される多くの患者さんは、全身マッサージと共に鍼治療を受け、帰られます。
以前から折に触れて書かせていただいていますが、
鍼は痛みが酷い場合や症状が非常に辛い方に特に有効な治療だとされています。
強い痛みを生じているということは、その部分の筋肉が奥深い所まで硬くなってしまっている証拠です。
こうなると、それをマッサージだけで改善しようとしても、なかなか難しいのが現状です。
その点鍼は、私たちの手の届かない筋肉内の奥に存在する凝りを解すことができるのです。
このように、辛い部分の中側から治療することにより、症状の根本的な改善が期待できます。
ただここで皆さんにお伝えしたいのは、どの方にも同じように鍼を打たせていただいていますが、
その後の鍼刺激に対する印象あるいは効果が人によって様々だということです。
もちろん治療直後に、「痛みが楽になった」と言って帰られる方は大勢います。
そしてもう一つよくいただく感想に、「治療を受けた次の日くらいまではなんとなく鍼を打たれた後の感覚が強かったが、
2日ほどしたらその痛みが消えいつの間にか辛かった症状を忘れていた」というのがあります。
そしてこのように訴える患者さんが比較的多いことにも気が付きました。
このような声を聞く度に、私も改めて鍼治療のすばらしさと不思議さ、つまり「時間がたつと効いてくる」という、
鍼治療の新たな効果に気付かされつつ、日々の臨床を続けているこの頃です。