マッサージと鍼治療が体の免疫力を高める?

2014年10月22日
 当院での治療を始めた時からすでに感じてはいたのですが、最近になってより強く断言できるようになってきたことがあります。
それは治療に来られる患者さんの多くが、「鍼やマッサージを受けるようになってから風邪を引かなくなった」あるいは、
「治療を始めてから肌の状態が良くなった」など、辛い症状だけではなく、体調そのものの安定を感じながら治療を受け続けていると言うことです。
これは特に、治療に定期的に通われている方に見られやすい重要な効果の一つです。

 基本的に私たちの体には、元々から免疫力が備わっています。
そのおかげで、様々な病気になりにくかったり、なっても症状が軽くてよかったという経験をされた方は多いはずです。
 人の免疫に関わっている物質は多数ありますが、その中でも特に重要な物の一つに「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」があります。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
これは血液中の白血球に含まれている成分で、血管内あるいはリンパ管の中をぐるぐると動き回っています。
そして、外から細菌などといった体にとって危険な物質が入って来ていないかを常にパトロールする働きを持っています。
もし外部からの異物が入って来た場合には、他の免疫に関わる物質の先頭に立ってそれらを攻撃し、身体を病気から守る重要な細胞です。
したがって、このNK細胞の数が体内に多ければ多いほど、例えば風邪を引きにくいなどといった強い体を長時間維持することができるというわけです。
 実は、鍼やマッサージを定期的に受けていると、この細胞の数を一定以上の状態に保つあるいは増やすことができると言われています。
そのメカニズムについては、また機会を改めてお話したいと思います。

 辛い症状は集中的に治療することにより、一端は楽になります。しかし、凝りや痛みの度合いに関わらず、月に1度などと決めて定期的に鍼やマッサージを受けていると、症状がそれほど酷くならないだけではなく、メンテナンスをしている安心感から体調そのものも安定し、気分良く毎日を過ごせるようになるのです。
体調が安定していて初めて心も穏やかになり、好きな仕事や趣味に没頭できるようになるのではないかと思います。
「体調が安定しているのでうれしい」という患者さんの声を聞く度に、私自身も鍼やマッサージのすばらしさに感動しながら、治療を行っているこの頃です。